お口ポカンを放置すると歯並び・顔つきに影響する理由を専門家が解説


お子さんがぼーっとしているとき、口が開いていることはありませんか? テレビを見ているとき、勉強中、眠っているとき――いわゆる「お口ポカン」の状態です。

成長の途中でよく見られる姿ではありますが、ずっと続くと歯ならびや顔の発育に影響が出ることがわかっています。今回は、保護者の方に知っておいていただきたいポイントをやさしくまとめました。

📋 この記事でわかること

  • 子どもの口呼吸はなぜ起こるのか
  • お口ポカンが歯ならび・顔立ちに与える影響
  • 集中力・睡眠への影響
  • 保護者ができるチェック方法と対策
  • 歯科・耳鼻科でできるサポート(MFTなど)

子どもは成長とともに「鼻呼吸」が基本になる

赤ちゃんのうちは鼻呼吸がメインですが、成長の途中では鼻づまりや姿勢の癖などで口呼吸になることもあります。本来は、成長とともに自然と鼻呼吸へ移行していくのが理想です。

ところが、次のような原因があると、鼻呼吸に切り替わらず口呼吸のまま癖になってしまう場合があります。

  • アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎による鼻づまり
  • 扁桃肥大・アデノイド肥大
  • 口周りの筋力不足(唇・舌の力が弱い)
  • 姿勢の悪さ(前傾み姿勢など)

放置すると歯ならびや顔立ちに影響する理由

近年の研究では、口呼吸の子どもには以下のような特徴が出やすいことが報告されています。

あごが正しく成長しにくくなる

口が開いていると舌が低い位置に下がり、上あごを広げる力が弱くなります。その結果、次のような変化が起きやすくなります。

  • 上あごが狭くなる
  • 歯が並ぶスペースが足りなくなる
  • 顔が下方向に細長く成長する(「アデノイド顔貌」)
呼吸の仕方舌の位置あご・顔への影響
鼻呼吸上あごに軽く触れている(正常位)上あごが適切に広がり、歯が並びやすい
口呼吸口底に落ちている(低位舌)上あごが狭くなり、歯列不正・顔の細長化が起きやすい

歯ならびへの直接的な影響

口呼吸が続くと、矯正が必要になる確率が高くなるとも言われています。代表的な歯ならびの問題は次のとおりです。

  • 出っ歯(上顎前突):口が常に開いているため、唇が前歯を抑える力が弱くなる
  • ガタガタの歯ならび(叢生):あごが狭くスペースが不足する
  • 開咬(かいこう):前歯が噛み合わない状態

睡眠・集中力への影響

口呼吸では空気が十分に整えられず、眠りが浅くなったり、日中の集中力が下がりやすいという研究もあります。「なんとなくぼーっとしている」「落ち着きがない」といった様子も、口呼吸が一因となっている場合があります。

⚠️ こんなサインが見られたら要チェック

  • ぼーっとしているとき口が開いている(お口ポカン)
  • テレビ・勉強中・就寝中に口呼吸をしている
  • いびきをかく・口を開けて寝ている
  • 歯ならびが乱れている・出っ歯・前歯が噛み合わない
  • 顔が細長い・あごが小さい・顎が引けている
  • 日中ぼーっとしている・集中力が続かない

保護者ができること・歯科でできること

① まずは「気づくこと」から

テレビを見ているとき・勉強中・寝ているときのお子さんの様子を観察してみてください。口がポカンと開いていることが多いようであれば、一度専門家に相談することをおすすめします。

② 鼻づまりの有無をチェック

アレルギー性鼻炎や扁桃肥大が原因の場合も多くあります。当院でチェックのうえ、必要があれば耳鼻科と連携してサポートします。

③ MFT(口腔筋機能療法)で舌・口周りの筋肉を整える

歯科で行うMFT(口腔筋機能療法)は、舌や唇の筋肉を正しく使えるようにするトレーニングです。鼻呼吸へ移行するサポートになり、歯ならびの改善効果も期待できます。

④ 歯ならび・あごの成長チェック

成長期の小さなズレは、早めに見つければ比較的シンプルに改善できます。逆に、思春期以降は骨格が固まるため、改善に時間がかかることがあります。「気になるな」と感じたら、早めの受診が安心です。

対策・治療主な対象・内容期待できる効果
MFT舌・唇・頬の筋肉トレーニング鼻呼吸への移行・歯ならびの安定
上顎拡大上あごが狭い・鼻づまりがある鼻腔拡大・スペース確保
耳鼻科連携アレルギー性鼻炎・扁桃肥大鼻閉の根本的な改善

相生おとなこども矯正歯科での取り組み

当院では、歯ならびや咬み合わせだけでなく、「呼吸」「舌の位置」「筋肉のバランス」を含めた総合的な視点で矯正診断を行っています。

  • 👄 口呼吸・お口ポカンの評価:問診と観察で呼吸パターンを確認します
  • 💪 MFT(口腔筋機能療法):お子さん一人ひとりに合わせたトレーニングをご提案します
  • 🏥 耳鼻科との医療連携:鼻づまりなど耳鼻科疾患が疑われる場合は専門医へ紹介します

「これって放っておいても大丈夫?」と迷ったときこそ、早めのご相談が安心です。

よくあるご質問(FAQ)

Q. お口ポカンは何歳ごろから気にすればいいですか?

A. 3〜4歳ごろから気にしていただくのが理想です。この時期は上あごの成長が活発で、早期に介入することで顔の発育への影響を最小限にできます。ただし、何歳でも遅すぎることはありません。気になったタイミングでご相談ください。

Q. 口呼吸は自然に治りますか?

A. 原因によります。一時的な鼻づまりが解消されれば自然に鼻呼吸に戻ることもありますが、癖として定着している場合や筋力の問題がある場合は、MFTなどの専門的なサポートが有効です。

Q. MFTはどんなことをするのですか?

A. 舌を正しい位置(上あごに軽く触れた状態)に置く練習や、唇・頬の筋肉を鍛えるトレーニングです。痛みはなく、お子さんでも無理なく続けられる内容です。歯科医師・歯科衛生士が丁寧に指導します。

Q. 相生市以外からでも受診できますか?

A. はい、たつの市・赤穂市・姫路市方面など近隣からも多くの方にご来院いただいています。初診相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ:「お口ポカン」は放っておかないことが大切

「ただの癖かな?」と思われがちなお口ポカンですが、体の成長と深く関わっているサインのひとつです。

もちろん、すぐに大きな問題になるわけではありません。でも、気づいた時点で歯科・耳鼻科のチェックを受けることで、お子さんの将来の口の健康や顔立ちを守ることができます。

相生おとなこども矯正歯科では、お子さん一人ひとりに合わせて、無理なく続けられるトレーニングやケアをご提案しています。気になることがあればお気軽にご相談ください。

参考文献

  1. Bueno SB, et al. “Association of breastfeeding, pacifier use, breathing pattern and malocclusions in preschoolers.” Dental Press J Orthod. 2013;18(1):30.e1–6.
  2. Grippaudo C, et al. “Association between oral habits, mouth breathing and malocclusion.” Acta Otorhinolaryngol Ital. 2016;36(5):386–394.
  3. Pacheco AB, et al. “Impact of chronic mouth breathing on craniofacial growth and airway development.” J Oral Rehabil. 2022;49(10):1093–1105.
  4. Huang YS, Guilleminault C. “Pediatric obstructive sleep apnea and the critical role of oral-facial growth.” Front Oral Biol. 2012;17:136–145.
  5. Hitos SF, et al. “Oral breathing and speech disorders in children.” J Pediatr (Rio J). 2013;89(4):361–365.

執筆・監修

村木 駿介(むらき しゅんすけ) 歯科医師

相生おとなこども矯正歯科 院長 / 顎咬合学会会員



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