8歳女の子の受け口治療|低位舌が原因?マウスピースで10ヶ月改善した症例を相生市の矯正歯科が解説

お子さんの前歯が逆に噛み合っている「受け口」、気になっていませんか?「様子見でいいのか」「自然に治るのか」と迷われている保護者の方も多いと思います。

実は、子どもの受け口の原因のひとつに「低位舌(ていいぜつ)」――舌が本来あるべき位置より下に落ちている状態――が関係していることがあります。

本記事では、8歳女の子の実際の症例をもとに、治療前の診断・マウスピースと舌トレーニングによる治療経過・10ヶ月後の変化をわかりやすく解説します。

📋 この記事でわかること

  • 治療前の診断内容(受け口・低位舌・下あごの狭さ)
  • 低位舌とは何か・なぜ受け口につながるのか
  • 低位舌が引き起こす3つのデメリット
  • マウスピース+舌トレーニングによる治療の流れ
  • 10ヶ月の治療経過と今後の方針

8歳女の子の治療前(上)と10ヶ月後(下)の比較。前歯の受け口が改善されています。

治療前の状態|受け口・下あごの狭さ・前歯の倒れ込み

治療前の口腔内。前歯が内側に倒れ、逆の噛み合わせ(受け口)になっています。下の歯列も狭く、前歯が重なりかけています。

初診時の診断では、次のような状態が確認されました。

🔍 治療前の診断内容

  • 前歯が内側に倒れている(上あごの前歯が舌側に傾いている)
  • 前歯が逆の噛み合わせ(反対咬合・受け口)になっている
  • 下の歯列が狭く、下の前歯が重なりかけている

また、この患者さんには低位舌(ていいぜつ)があり、それも受け口の原因のひとつになっていました。低位舌については次のセクションで詳しく解説します。

治療内容は以下のとおりです。

治療内容詳細
マウスピース型装置起きている時1時間+就寝中に装着
舌・口周りの筋肉トレーニング舌の位置を正し、上あごの成長を促す

治療経過|10ヶ月で前歯の噛み合わせが改善

治療10ヶ月後。前後逆になっていた前歯の噛み合わせが改善。引き続きマウスピースと口のトレーニングを継続し、顎の正しい成長を目指します。

治療開始から10ヶ月後、前後逆になっていた前歯の噛み合わせが改善しています。

今後は引き続きマウスピースと口のトレーニングを継続し、顎が正しく成長して大人の歯も綺麗に並ぶことを目指していきます。

💡 治療のポイント

この患者さんには低位舌があり、それが受け口の一因になっていました。歯並びの表面的な改善だけでなく、舌の位置という根本原因にもアプローチすることで、後戻りしにくい改善を目指しています。

低位舌(ていいぜつ)とは? なぜ受け口につながるのか

低位舌は舌が上あごに触れず下に落ちている状態。上あごへの刺激が減り、成長不足・スペース不足が起こりやすくなります。

低位舌(ていいぜつ)とは、本来は上あごにくっついているはずの舌が、普段から下に落ちている状態のことです。

舌が上あごの骨に当たり刺激を与えることで、上顎の骨は正しく成長します。しかし低位舌だと、この刺激が不足するため次のような問題が起こりやすくなります。

  • 上あごの成長不足が起こりやすい
  • スペース不足により歯ならびも悪化しやすい
  • 舌が前歯を後ろから押す力が弱まり、受け口が進行しやすい

マウスピース型装置は、装着中に舌の位置を正すトレーニング効果も兼ね備えており、低位舌の改善にも役立ちます。

低位舌が引き起こす3つのデメリット

低位舌は歯ならびだけでなく、顔の成長・かつぜつ・睡眠の質にも影響します。

低位舌の影響は、歯ならびだけにとどまりません。

デメリット内容
① あご・歯列・顔の骨格の成長に悪影響舌が下に落ちていると、あごが下方向に成長しやすく面長な顔になりやすい。また口呼吸になりやすく、虫歯・歯周病のリスクも上がる
② かつぜつが悪くなりやすい低位舌だと舌の筋肉が衰え、発音がしづらくなる
③ 睡眠の質が悪くなる舌が落ちることで気道周囲の筋肉が衰え、寝るときの気道閉塞・睡眠呼吸障害のリスクが高まる

⚠️ 低位舌は「歯ならびだけの問題」ではなく、呼吸・睡眠・発音・顔の成長にも深く関わっています。早めに原因にアプローチすることが大切です。

まとめ|「知らなかった」という後悔をなくすために

すべてのお子さんに治療が必要なわけではありません。ただ、「知らなかった」という後悔はあとから取り戻せません。

「すべてのお子さんに治療が必要なわけではありません」
しかし、「知らなかった」「もっと早く相談していれば」という後悔は、あとから取り戻すことができません。

「受け口が気になる」「舌の位置がおかしい気がする」――そんなときこそ早めにご相談ください。相生おとなこども矯正歯科では、歯ならびの表面だけでなく、舌・筋肉・呼吸という根本原因まで含めた診断を行っています。

初診相談は無料です。公式LINE・DMでのご相談もお気軽にどうぞ。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 低位舌かどうか、自分でわかりますか?

A. 簡単なチェックとして、口を閉じたときに舌が上あごに軽く触れているかを確認してみてください。舌が下に落ちていたり、前歯の裏に押しつけていたりする場合は低位舌の可能性があります。正確な診断は歯科医院でご確認ください。

Q. 受け口は自然に治りますか?

A. 乳歯の時期に限っては改善するケースもありますが、永久歯に生え変わっても受け口が続いている場合、自然改善はほとんど期待できません。低位舌など原因がある場合はなおさら早めの対応が重要です。

Q. マウスピース型装置はどのくらいの期間使いますか?

A. 症状の程度や成長段階によって異なりますが、この症例では10ヶ月で前歯の噛み合わせが改善しました。その後も顎の成長を見ながら継続的に経過観察を行います。

Q. 相生市以外からでも受診できますか?

A. はい、たつの市・赤穂市・姫路市方面など近隣からも多くの方にご来院いただいています。初診相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

参考文献

  1. Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier; 2018.
  2. Huang YS, Guilleminault C. “Pediatric obstructive sleep apnea and the critical role of oral-facial growth.” Front Oral Biol. 2012;17:136–145.
  3. Smithpeter J, Covell D. “Relapse of anterior open bites treated with orthodontic appliances with and without orofacial myofunctional therapy.” Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2010;137(5):605–614.
  4. Huynh NT, et al. “Functional appliances and upper airway dimensions in growing patients: a meta-analysis.” J Clin Sleep Med. 2023;19(4):745–754.
  5. Baccetti T, et al. “Early dentofacial features of Class III malocclusion.” Am J Orthod Dentofacial Orthop. 1997;111(5):502–509.

執筆・監修

村木 駿介(むらき しゅんすけ) 歯科医師

相生おとなこども矯正歯科 院長 / 顎咬合学会会員
兵庫県相生市にて、小児から成人まで呼吸・舌・筋肉のバランスを考慮した矯正治療を提供。

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