こどもの口呼吸が歯並びに影響する?原因、チェック方法、改善策を歯科医師が解説


呼吸の仕方が、歯ならびを変える?

お子さんの歯ならびは、遺伝だけでなく「呼吸の仕方」にも大きな影響を受けることをご存じでしょうか?

近年の研究では、「口呼吸」と「鼻呼吸」が歯ならびやお顔の発育に大きく関係していることが明らかになっています。今回は、呼吸と歯ならびの関係について解説します。


なぜ呼吸と歯ならびが関係するの?

呼吸の方法には大きく分けて「鼻呼吸」と「口呼吸」があります。

呼吸の種類特徴
鼻呼吸鼻から空気を取り入れる。自然で健康的な呼吸法。
口呼吸口をポカンと開けて呼吸する。習慣化すると問題が起こりやすい。

子どものあごや歯ならびは、成長期に舌・唇・頬の筋肉のバランスを受けながら発育します。ところが、口呼吸になると舌の位置が下がり、上あごの成長が抑えられ、歯ならびに影響が出てしまうのです。


口呼吸がもたらす歯ならびへの3つの影響

1. 上あごの横幅が狭くなる

本来、舌は上あごにピタッとついて「天然の矯正装置」のような役割を果たしています。口呼吸だと舌が下がるため、上あごが横に広がらず、歯が並ぶスペースが不足します。

2. 出っ歯や受け口のリスクが上がる

唇や頬の筋肉のバランスが崩れ、前歯が出てきたり、かみ合わせが乱れることがあります。

3. 「アデノイド顔貌」になる可能性

鼻づまりや口呼吸を続けると、顔が細長くなり、下あごが後ろに下がった独特の顔つき(アデノイド顔貌)になることがあります。


科学的根拠|口呼吸と歯ならびの関連は証明されている

複数の研究で、口呼吸と歯ならびの悪化には明確な関連が報告されています。

  • 慢性的な口呼吸の子どもは鼻呼吸の子どもに比べて、歯列弓が狭く、開咬や上顎前突といった不正咬合が有意に多い(Harari et al., 2010)
  • 口呼吸の子どもは鼻呼吸の子どもに比べて上あごの幅が狭く、歯列不正のリスクが高い(Souki et al., 2009)

医学的に「呼吸の仕方が歯ならびに影響する」ことは裏付けられています。


ご家庭で気づけるチェックポイント

お子さんにこんな様子はありませんか?

  • 口がいつも開いている
  • 寝ているときにいびきをかく
  • 朝起きたときに口が乾いている
  • 姿勢が猫背気味
  • 前歯が出てきている、歯並びがガタガタ

これらが当てはまる場合、口呼吸の習慣があるかもしれません。早めにチェックすることが大切です。


口呼吸を改善するためにできること

1. 耳鼻科でのチェック

アデノイド肥大やアレルギー性鼻炎など、鼻づまりの原因がある場合は耳鼻科での治療が必要です。

2. 舌のトレーニング(MFT:口腔筋機能療法)

歯科医院では、舌や唇の筋肉を正しく使うためのトレーニング(MFT)を行います。舌を上あごにつける練習や、口を閉じる力を強くする運動などが効果的です。

3. 矯正治療との併用

必要に応じて、成長期のお子さんには顎の発育を助ける矯正装置を使い、歯並びと呼吸の両方を改善していきます。


「遺伝だから仕方ない」は思い込みかもしれません

「歯ならびが悪いのは遺伝だから…」と思っている方も少なくありません。もちろん遺伝的な要素はありますが、生活習慣・特に「呼吸の仕方」が大きく関係しています。

お子さんの歯ならびをきれいにすることは、見た目だけでなく、将来の健康・集中力・睡眠の質にもつながります。早めに気づき対処することで、大がかりな矯正治療を避けられることもあります。


まとめ

  • 口呼吸は歯ならびの乱れやあごの成長に影響する
  • 科学的にも、口呼吸と不正咬合の関連は証明されている
  • 鼻づまりの改善・舌のトレーニング・矯正治療でサポート可能
  • 早めに気づいてあげることが、将来の大きな予防につながる

お子さんの口元や呼吸の癖が気になったら、相生市の相生おとなこども矯正歯科へお気軽にご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 口呼吸はいつ頃から気をつければいいですか?
A. 気になるサインがあれば年齢を問わずご相談ください。成長期(3〜12歳頃)は特に改善しやすい時期です。

Q. 口呼吸は自然に治りますか?
A. 鼻づまりなど原因がある場合は自然には改善しにくいです。耳鼻科や歯科での早めの対応をおすすめします。

Q. MFT(口腔筋機能療法)は何歳から受けられますか?
A. 一般的に5〜6歳頃から取り組めます。お子さんの状態に合わせてご提案します。


参考文献

  • Harari D, et al. The effect of mouth breathing versus nasal breathing on dentofacial and craniofacial development in orthodontic patients. Laryngoscope. 2010;120(10):2089-2093.
  • Souki BQ, et al. Prevalence of malocclusion among mouth breathing children. Int J Pediatr Otorhinolaryngol. 2009;73(5):767-773.

【執筆・監修】
相生おとなこども矯正歯科 院長 村木駿介(歯科医師・顎咬合学会会員)

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